痛風はビールだけ気をつければいいの?

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こんにちは、薬剤師の山田です 

6月に入りライフ薬局のある茨城県神栖市は暑いだけでなく湿度の高いジメジメした日が続いています。
これから梅雨に入り暑い日も続いてくると、食中毒や熱中症に注意が必要になってきます。
こまめな手洗い・水分補給をおこないましょう! 

さて、先日私が患者さまにお薬をお渡しした時にこんな質問がありました。

「きょう採血したら、尿酸値が上がっていたんだ。ビールは飲んでも週に1回くらいでほとんど飲まないんだけどな~、薬のせいかな、でもいつもと同じ薬でしょ。食べ物で気をつけたらいいものって何があるの?」

私は、製薬会社から頂いているパンフレットを用いて注意点をお話ししました。よく痛風や尿酸値が高めの方がビールは控えていると言われますが、他にもいろいろ注意点があるようなので今日は簡単ですが紹介させていただきます。

(痛風とは)
痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶になって激しい関節炎を伴う症状になる病気です。痛風が起きる前に血液の尿酸値が高い状態が長く続きます。これを高尿酸血症と言います。それを放置すると、足の親ゆびの付け根などの関節が赤く腫れて痛みだします。痛風は圧倒的に男性に多い病気です。

(食事療法のポイント)
 ①プリン体を多く含む食品の摂取は控えましょう  
肉や魚の内臓類に多く含まれるプリン体は、体内で尿酸に代謝され、尿酸は尿中に排泄されます。体内の尿酸が増えると、血液中に蓄積されることから、プリン体を多く含む食品の摂取は控えましょう。また、プリン体は、水に溶けるので、肉や魚からとったスープ(鶏がらスープなど)にも注意が必要です。

プリン体の多い食品
 【極めて多い】
  鶏レバー、マイワシ干物、イサキ白子、あんこう肝酒蒸し
 【多い】
  豚レバー、牛レバー、カツオ、マイワシ、大正エビ、マアジ干物、さんま干物

 ②水分を十分にとりましょう
  尿量が増加すると、尿酸の排泄量が増加します。水分を1日2Lくらいを目安に十分に摂取しましょう。水分は、できるだけ普通の水・お茶・ウーロン茶などで摂り、炭酸飲料やジュースなどの糖分の多い飲み物は、エネルギーが高いので避けましょう。

 ③野菜を十分にとりましょう
  尿酸はアルカリ性~中性によく溶けるので、野菜、いも類、海藻類などのアルカリ性食品を十分に摂り、尿をアルカリ性に保つことが必要です。新鮮な野菜の摂取は、水分補給にも役立ちます。
ただし、果物は果糖が多いので、摂りすぎないようにしましょう。

 ④アルコールは控えましょう
  高尿酸血症や痛風になるとビールを飲むのを止めて焼酎に変える方がとても多いです。ビールが痛風の原因である血清尿酸値の上昇を引き起こしやすいことは確かで、他のアルコールと比べても血清尿酸値が上昇しやすいことも確かです。しかし、アルコールはそれ自体の分解の際に尿酸を産生し、尿中尿酸排泄を阻害する働きもあるため、血清尿酸値が上昇することが多くなるという事実があります。このため、プリン体を含まない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒の飲酒でも血清尿酸値が上昇します。
 飲みすぎは禁物 !です。

 (日常生活での注意点)
 ①適度な運動を心がけましょう 
  適度な運動は、肥満、脂質異常症、高血圧症などの改善に効果があり、ひいては痛風治療に役立ちます。一方、過度な運動は、血清尿酸値の上昇を招きます。週3日程度、軽い運動を継続して行うことが効果的です。

 ②ストレスをためないようにしましょう 
  痛風の発作はストレスがたまっているときに起こりやすいともいわれています。十分に休養して、ストレスを上手に解消しましょう。

(薬の影響)
患者さまが服用する利尿剤などで尿酸値を上昇させる場合があります。詳しくは医師・薬剤師におたずね下さい。

以上簡単ですが、痛風・高尿酸血症の日常生活での注意点を紹介させていただきました。

今後ともライフ薬局をよろしくお願いします。

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