不眠症

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こんにちわ。薬剤師の安藤です 
今年も残すところあと3週間。冬の寒さも厳しくなり、神栖市にあるライフ薬局でも風邪の患者さまが増えてまいりました。
これからインフルエンザも流行る時期です。うがい手洗いをしっかりして、予防対策に努めていきたいと思います 

さて今回のテーマは不眠症。不眠症とは横になって眠ろうとしても眠れず苦しみ、このような症状のために日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下、精神運動機能の低下、抑うつ、不安などに悩まされ、日常生活に支障をきたすようになった状態をいいます。
 代表的な不眠症状には、入眠障害(夜なかなか寝付けない)、中途覚醒(朝起きるまでに何度も目が覚めてしまう、その後なかなか眠れない)、早朝覚醒(目が早く目覚め、その後眠れない)があります。
これらの不眠症状の頻度は年齢層によって大きく異なり、高齢者では中途覚醒や早朝覚醒などの睡眠を持続する力の低下によるものが大半を占めるのに対し、働き盛りの若年世代の人々は神経質な性格傾向による入眠障害や、うつ病などの基礎疾患に伴う不眠が多いといわれています。
 現在日本の医療機関で主に用いられる睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系非ベンゾジアゼピン系およびメラトニン受容体作動薬系、新薬のオレキシン受容体拮抗薬の各睡眠薬があります。不眠症改善効果は各薬剤間で大きな差はありません。ただし作用時間の長さは薬剤ごとに異なり、超短時間作用型短時間作用型中間作用長時間作用型に分類されます。不眠症のタイプに応じて適切な睡眠薬を使い分けるのが一般的です。また副作用の種類や頻度にも薬剤間で差があります。どのようなタイプの睡眠薬が自分にあっているのか主治医とよく相談することが大切です。

 現代の社会では成人の20人に1人が睡眠薬を服用しているといわれています。そして睡眠薬を服用している患者の8割近くが睡眠薬の服用に不安を抱いていることが判明しました。
 不安の内訳をみると、睡眠薬がやめられなくなる、効果が弱くなり量が増える、翌日の眠気や能率低下、大量服用すると死んでしまう、多剤との飲み合わせの不安、認知症になりやすい、精神疾患になりやすいなどでした。
 不眠症は残念ながらお薬を飲むだけでは改善しません。本人の努力も大切です。睡眠環境を整えるために、定期的な運動や寝室環境の整備、規則正しい食生活、就寝前の水分摂取制限、就寝前のカフェイン摂取制限、就寝前の飲酒・喫煙を控えること、昼間の悩みを寝床に持ち込まないことなどに注意することが必要です。そして不眠症は適切に治療すれば治る病気であり、症状の改善に伴い睡眠薬の減薬・中止も可能です。
 睡眠薬の離脱方法として
  1.漸減法:徐々に減量しながら中止にもっていく方法で超短時間や短時間型などの作用時間の短い薬剤に適している。用量を2週か4週おきに4分の3、2分
        の1、次いで4分の1に減量する。減量により不眠が再現する場合はその前の用量に戻す。
  2.隔日法:一定量まで減量できたら1日おきの投薬に切り替え、経過が良ければ3日おき、4日おきと間隔を延ばし中止する方法で中間型や長時間作用型など
        の作用時間の長い薬剤に適している。
  3.置き換え法:作用時間の短い睡眠薬で漸減法がうまくいかない場合、いったん作用時間の長い薬剤に置き換えた後、漸減法あるいは隔日法にて減量を行う。
          置き換えた場合、一過性の不眠を生じることがあるが1週間くらいで消失することが多い。
不眠の症状が改善し減薬にチャレンジしたくなったら、自己判断ではなく、必ず主治医に相談することが大切です。

そして今回は睡眠薬の12カ条と種類」について書いた手書きポスターを作成してみました。ライフ薬局へお越しの際にはぜひこちらも目を通していただければと思います。
睡眠環境を整えて、質の良い睡眠を心がけましょう 
 

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